私が、現在の専門分野で目指しているのは、 20世紀初頭に大谷探検隊が収集した資料の総合的研究です。これは、龍大ならではの研究であり、異分野の研究者や国内外の研究機関との連携、理系の研究者との技術協力が不可欠で、常に驚きの連続です。
高校生の皆さんには、「仏教学」というと取っつきにくいかも知れませんが、仏教は、日本の文化に大きな影響を与えています。日常使っている言葉だけでなく、カタカナや五十音図、「いろはうた」なども仏教に由来するもので、「おかげさま」「もったいない」という表現には、長い間培われてきた仏教的精神が表れていると思います。
主な業績(いずれも共著):
「ここに、愚禿釋の親鸞、慶ばしいかな、西蕃・月支の聖典、東夏・日域の師釈に遇ひがたくしていま遇ふことを得たり。聞き難くしてすでに聞くことを得たり。」
(親鸞『教行信証』(浄土真宗聖典註釈版第2版,p.132)