皆さんがよくご存じの奈良の大仏や東海道五十三次、これらに共通するのは、ともに華厳宗の思想を元にしているということです。奈良の大仏は『華厳経』の教主毘盧遮那如来、また東海道五十三次は『華厳経』で善財童子という求道者が尋ねた善知識(良き師匠)の数からきています。日本の仏教の礎となった南都六宗の一つが、東大寺を本山とする華厳宗です。私はこのような日本の仏教や文化の基礎ともなり、また多面的に展開していった華厳の思想に興味を引かれ、これを専門とするようになりました。
「和顔愛語」(『無量寿経』)
「学仏大悲心」(『観経疏』「玄義分」)
「遠く宿縁を慶べ」(『教行信証』)